G-Bicycle > リポート > 『Tour de Tama ツールド多摩』 2008年11月

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2008年11月、オフロード自転車の専門店「トレイルストア」(東京都世田谷区)の和田ハジメちゃんの誘いで、 「ツールド多摩」(オフロード自転車のレース)を走ってきた。
レース会場は東京都稲城市にある『在日米軍レクリエーション施設』。自宅から自走で約一時間。早朝の爽やかな多摩川の景色を楽しみながら走り入り口ゲートに到着する。
ゲートで身分証明書を提示して持ち物検査を受けてから入場。普段は自由に入ることのできない米軍施設である。今日は日米の自転車愛好家ために施設利用が許されている。貴重な一日である。
在日米軍レクリエーションエリアはアメリカである。建物も、道路標識も、看板も。ランチで食べるステーキランチも。目の前に広がる広大な丘陵地帯は戦後60年を経過して、いまなおアメリカ軍に占領されている。あまりの敷地の広さにただただ驚くばかりだ。こんな自然豊かなところが東京にあったとは・・。戦前の東京郊外にたくさんあったであろう、こんな野山が今はないというのが残念でならない。遊び場探しにも一苦労する過密都市“東京”の生活環境に比べ、駐日米軍レクリエーション施設の恵まれた遊び場環境。この格差って、なんなんでしょうね?
さて、ゲートから自転車をだらだら登らせること約20分。スタート/フィニッシュ地点に着く。見たところ築50年は経っている木造の建物が数棟。レクリエーション施設として使われているようだ。何層にも塗り重ねられたペンキが、オールドスクールな人間にはたまらない。古き良き時代の懐かしさを思い起こさせる。さびれたアメリカ片田舎にいるような平和でのんびりした時間が流れている。
会場では何人かの懐かしい自転車仲間と再会。このレース(ツールド多摩)は「アメリカの草レースみたいだよ」と常連の友人から聞かされていたが、まさにその通りだった。会場のリラックスした雰囲気といい、参加者たちの人懐っこい笑顔といい、ステーキランチのボリュームといい、アメリカの草レースで味わった楽しさがあった。参加しても、観戦だけでもリラックスした楽しい一日を満喫できるカジュアルなイベントである。
レースは1周5キロのコースを周回する。僕は3周の15キロのカテゴリーを選んだ。シングルスピード(変速機能のつかない1段ギアの自転車)でレースに参加したのはどうやら僕ひとりだった。丘陵地帯とはいえ変速ギアがないとかなり厳しいコースである。でも全長15キロのトレイルライドと考えたら、純粋に走る楽しみで心が躍るものである。自転車がシンプルであればあるほど自分の未熟なライディングスキルを駆使して得られる一体感や、起伏に富んだトレイルにチャレンジする際の創造的な楽しみも大きい。そんな調子で1時間半、15キロのトレイルライドをたっぷり楽しませてくれた「ツールド多摩」だった。
「ツールド多摩」は年二回の開催予定。詳しいインフォメーションは東京世田谷の「トレイルストア」で入手できる。
08ツールド多摩
08ツールド多摩
08ツールド多摩
08ツールド多摩
08ツールド多摩

(写真、上段左から右へ)
(1) 「ツールド多摩」はひさびさに参加するレース
(2)レトロな木造の建物。古いけれど、トイレは給湯設備完備
(3) トレイルストアのオフロードフリークたち。みんなリラックス
(4) 駐車場もゆったり
(5) 「ヤマザクラ」を解説する樹木プレート。レクリエーション施設なのでいたるところに設置されている
(6) スタートグリッド
(7) スタート
(8) フィニッシュせずに少しでも長く走っていたいと思うほど楽しいトレイル
(9) 一周、5キロのコースは飽きない。飛んだり、落ちたり、トンネルをくぐったり
(10) フィニッシュ地点
(11) コース周辺のキャンプサイトに設置された分別ゴミ箱
(12) 参加者それぞれ、レースの楽しみ方もさまざま。自転車の個性もさまざま
(13) よっしゃっ! 試走に出発する方々
(14) 20年来の友人、スポーツフォトグラファーの海上さんから海外事情を聞く
(15) 彼の努力なくして、レースは実現しない。「ツールド多摩」、縁の下の力持ち、Nakazawa氏に感謝です

- Hilo MORIMOTO -


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