かなりの自転車好きでもサイクルサッカーを見たことのある人は少ないだろう。僕のまわりでも稀である。
サイクルサッカーは二対二で得点を争う自転車のボールゲームだ。チームは二人。ハンドボールの屋内コートのような広さとゴールを使って行う。どちらでもキーパーになれて、決められたエリアの中では手も使うことができるようだ。それ以外はもちろん手を使わずに自転車でボールを扱う。素人の僕らから見ると曲芸的自転車のチームスポーツといった印象である。
さて昨年、ひょんなことから自転車の友人(男子二名と少年一名、女子一名)がサイクルサッカーを始めた。彼らからやってみると意外と面白いと噂は聞いていた。年末に練習会に誘ってくれたので体験してみることにした。
体験といってもゲームに参加できるわけではもちろんない。まず専用自転車に乗ることが肝心である。ギアは変速機のない「固定ギア」タイプ。ペダルを後ろに回すとタイヤも後ろに回る。ブレーキはなし。ペダルを逆回ししても前に進む一般的な自転車とは全然違うのでかなり戸惑う。なかなか乗れない人もいるようである。カラダで乗り方を覚えるしかない。ちょっとしたコツとバランスのとり方がわかると何とか乗れたり、停止したりすることができる。乗りなれない奇妙な自転車といった感じで、ちょっと不思議な感じだ。難しさよりも少しずつ要領を得て乗れるようになる喜びを楽しむことができる。なかなか新鮮である。サイクルサッカー専用の自転車に慣れるまでの何時間かは、とても楽しい時間を過ごすことになる。
サイクルサッカーの体験練習会は東京工業大学でほぼ週二回。
* 東工大サイクルサッカー部 ウエブサイト