時代とともに街は変わる。札幌もしかり。活気のあった狸小路商店街や文化の香りがたっぷりあった丸山も、今や古き良き時代の面影はない。だが、昔を懐かしんでばかりもいられない。札幌の今を見つけて楽しみたいもの。
そこで北海道大学構内がオススメ。
ほぼ一年ぶりに訪れた北海道大学(北大)は生憎の冷たい雨。でも、しっとりと雨で潤った景色はなかなか味わい深い。
北海道開拓当時の歴史的建築物と原生林が残る構内敷地を歩くと心身ともにリラックスできる。北海道らしい代表的な風景がある。観光地をまわるより、ここで過ごす時間ははるかに贅沢だ。
重要文化財に指定されている「札幌農学校第2農場」が移築されている。この一帯はとくに素晴らしい。この日は雨のせいで人影もない。広い敷地はカラフルな落葉で覆われている。ピリッと肌を刺す新鮮な空気。北海道開拓時代にタイムトリップしたような夢とも現実ともつかない何とも不思議な感覚に襲われた。
古い真っ赤な屋根の木造建築や真っ白い洋館が点在する構内。目的もなく気ままに歩いているだけで、全身がどんどん元気になってきた。